損保代理店の方が生保を売れる理由
皆さん、こんにちは!
先日、開発中の「保険管理表」作成システムをより良いものにするため、保険会社の営業担当者の方(※ここではAさんとします)とお会いし、ご意見を伺ってきました。
Aさんは以前は生命保険会社の代理店担当者として、また現在は損害保険会社の代理店担当者として活躍されています。
私が知っている限り、生命保険会社と損害保険会社の両方のルートセールスをご経験されている方はそう多くはありません。
いろんな保険代理店を担当してこられたAさんなら、保険のアップセルやクロスセルに活用できるツールにどのような機能があれば良いか、どう活用すれば良いかなど、的確なアドバイスをいただけるのではないか思いお時間を取っていただきました。(Aさん、お忙しいところありがとうございました(_ _))
久しぶりにお会いしたのでついいろんな方向に話がそれましたが、お互いの近況報告が落ち着いたところで弊社の最新版の「保険管理表」を見てもらいました。
損保代理店は生保販売に消極的?
「この「保険管理表」なら、保険代理店の付加価値が高まる」
私がひと通り「保険管理表」のコンセプトや開発にかける思い、今後の展開を伝え終えたところで、Aさんに第一声そう言っていただけたので正直ホっとしました。
生命保険の代理店担当者として新規販路開拓のために代理店回りをされていたAさんは、当時「なぜ、損保代理店さんは生命保険販売に取組まないんだろう」 と思っておられたそうです。
でも、いざ損保業界に身を置いてみると、とにかく忙しいとAさんはおっしゃいます。生命保険に比べ損害保険は保険種類が多く、代理店から次々と寄せられる急ぎの照会応答に追われているとのことでした。
代理店側も損害保険については更新契約や契約内容の変更、事故対応など急ぎで対応しないといけない事務が多いですよね。
損保代理店において生命保険のクロスセルが思うように進まない要因の一つとして、損害保険のメンテナンスが忙しいことが挙げらます。
またもう一つの要因としては、生命保険を販売するためのアプローチやセールスプロセスが損害保険のそれらとは全く異なるからだともおっしゃっていました。
そーなのよねー。
損害保険はニーズが顕在化していて、「入りたい」「無くては困る」と日頃から思っていただいていますが・・・。
一方で
生命保険はニーズが潜在化していて、「そのうち」「今はまだ」と“検討モード”に入られる方も。
いずれにしても、損害保険と生命保険にはそれぞれ個々の業界文化があり、お客様側も知らないうちに独自の商習慣で保険に加入している方も多いということではないでしょうか。
ある大手損害保険会社によると、専業代理店のクロスセル率は実に約11%に止まっているというデータもあります。
はじめの話に戻りますが、弊社の「保険管理表」なら保険会社が提供している同様のツールよりも詳しく一覧表示されており、また他社で加入中の保険も含めて管理できるところに独自性があると言っていただきました。
「保険管理表」を作成することで、営業担当者は万一の際にはお客様の保険金請求の司令塔となり、保険の更新面談の際にはアップセルの提案ツールとして、新規の保険相談の際には「証券回収ツール」として活用できます。
何より、既契約で信頼が置かれている営業担当者のクロスセルが進むこと自体が、さらに保険担当者の付加価値を高めるともおっしゃっていました。
もっと「誇り」を持って良いのでは?
「損保代理店は、もっと誇りを持って良いお仕事なのでは?」
生命保険会社勤務を経て、現在損害保険会社で勤務するAさんから発せられた率直な言葉でした。
続けて、損保代理店は生命保険をもっと売れるポテンシャルがあるとおっしゃっていました。一つは、事故時の対応で築かれたお客様との信頼関係、長いお付き合いがある点に強みがあります。
そういえば、以前お客さんが「自宅の床の間に通す」ということが、今や損害保険のセールスの人くらいだって言ってたな。
もう一つは、前述の通り保有顧客数が多い割に多種目化や生保提案が十分にできておらず、まだまだ既存顧客に提案する余地がある点です。
1996年の日本の金融ビッグバンの際に、損害保険会社と生命保険会社はそれぞれ別会社を設立し双方の業界において相互参入しましたが、損保系生命保険会社は既存の専業代理店チャネルの強みを活かして業績を拡大させ、今なお存在感があることからもその息の長さが見て取れるでしょう。
このようなことか損保代理店はもっと「誇り」を持つべきだし、もっと「自信」を持って生保の声かけをすべきだとAさんは言います。
私も“生保にも詳しい損保セールス”は、個人的にとてもカッコイイと思っています。